「仲良くなるための愚痴」を、やめる。
人と仲良くなるためのノウハウとして、
「愚痴を言い合う」というものがある。
もしくは、愚痴を聞き出す、か。要はその類のものだ。
「自分から先に自己開示として愚痴を言い、相手も応じて自己開示するからその愚痴を聞いて仲良くなる」というロジックで、これが有効とされているのだと思う。
確かに愚痴を聞くことは人間関係において重要な面もある。人に自分の話を聞いてもらいたいときは誰にもあるものだろう。
しかし、このロジックには、少し考えるだけで二点、穴がある。
「自分が自己開示すれば相手も自己開示する」という部分がまず怪しい。
たとえば、二十代のフリーターの男が五十代の所帯持ちの男と話すなんて場合。状況が違いすぎて、そもそもお互いに自己開示が必要なレベルで相手を理解しようという気持ちが湧くがどうか。
理解されないことが見えている相手と、人はあまり話したくないものだと思う。だから年齢や境遇が近くないと話にくさを感じるのだ。
次に、「愚痴を言えば自己開示になる、プラスになる」というところが怪しい。
普通に考えて、他人の愚痴を喜んで聞きたいなんて人はほとんどいない。
人間みんな自分のことだけでいっぱいいっぱいなのだ。
自分が自己開示だと思って言っていても、相手からしたら鬱陶しいだけなことさえあるかもしれない。
かくいうぼく自身が、この安易な手段を日常的に使ってしまっていたので、少し心当たりがあるのですが。。。
自分の欲望の赴くままに愚痴を言えばお互いハッピーという、すごく安易な方法なわけですけど、
やっぱり安易な以上いつまでもやり続ける手法ではないなと思います。
なにより、仲良くなるために愚痴を言うとか聞いてあげるとか、かっこ悪い。
愚痴と見做されかねないこと言うなら、状況を踏まえて、慎重にやるべきなんでしょうね。